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リジットデニムの洗い方。糊落としから色止めまでユニクロUのセルビッジデニムを使って洗濯の仕方を解説

2021年2月1日

レビュー記事で紹介したユニクロU 2021SSのセルビッジデニム。

飾り気の無いシンプルな見た目と生地の質感、ルメールディレクションの綺麗めシルエットと、まず買って損は無いリジットなデニムに仕上がっています。

今回は、そんなユニクロUのセルビッジデニムを使ってリジットデニムの洗い方として、ファーストウォッシュと呼ばれる糊落としのための洗濯手順について書いてみたいと思います。

また、今回は可能な限りリジット感を残して綺麗めに履きたいと思っていたためデニムの色止めも同時に実施しました。

ユニクロU セルビッジデニム リジットデニムの洗い方

ユニクロU セルビッジデニムを糊落とし

ユニクロU セルビッジデニム リジット感のあるデニム

前回の記事でも少し触れましたが、洗いをかけていないノンウォッシュジーンズのことをリジットデニムという名称で呼びます。

リジットデニムの「糊(のり)」とは?

デニムは生地の製造過程で「糊(のり)付け」されており、ノンウォッシュのリジットデニムの場合はその糊が残っている状態。

リジットデニム特有の固さとゴワつきは糊が残っている証。

本来であれば完成品としてのデニムには不必要なもので、糊が残っていることで綺麗な「アタリ」が出ず不自然な色落ちになってしまうこともあるため、洗いをかけていないリジットデニムには「糊落とし=ファーストウォッシュ」という行程が必要になってきます。

糊落としとは、要するにデニムを履き始める前の「自宅での初めての洗濯」ってことなのですが、色落ちを味として楽しむデニムならではの儀式みたいなものですね。

糊落とししないとどうなる?

洗うタイミングとしては購入した直後、履き始める前に行うのが一般的。

ですが、あえて「糊落としをしないで履き始める」というのも楽しみ方の1つとしては有りではあります。

購入時からファーストウォッシュまで早くて半年~1年ほどの期間をかけて履き込むことで、固さの残るリジットデニムならではのカチッとしたメリハリの効いた色落ち・アタリを楽しむこともできるというメリットもあります。

ただし、糊落とししないまま履くということに問題があるとすれば、初めて洗いをかけることでデニムが縮むため、リジットのまま履き込んで生まれたアタリの位置がファーストウォッシュ後にズレる可能性が非常に高いこと。

防縮加工の無い「生デニム」ではまずオススメできず、防縮加工有りの場合でもやはり多少の縮みやズレが生じるため、やはりリジットデニムは購入後即糊落としが一番失敗が無いと思います。

生デニムとリジットデニムの違いについては、レビュー記事の中で解説しています。

リジットデニムの洗い方の手順

ここからはファーストウォッシュ・糊落としのための洗い方の手順について。

とは言っても難しいことは特に無し。

元来の丈夫さと武骨さがジーンズの魅力でもあるので、あまり神経質に考えずザックリとこなしてしまいましょう。

リジットデニムの糊落とし手順 4ステップ
  1. ボタンやジッパーを閉めて裏返す
  2. 約1時間ほど、お湯に漬けこむ
  3. 洗濯機で洗濯
  4. 乾燥

「糊落とし」に必要なもの

糊落としの前に用意するものは、

  1. タライ
  2. オシャレ着用洗剤

基本は上記の2つのみあれば完了できます。

筆者オススメのタライはニトリで販売されている折り畳み式のソフトタライ。

幅と深さが充分な大きさでありながら、使わない時は畳んでしまって置ける優れモノ。

オシャレ着用洗剤は普段使っている中性洗剤で充分ですが、よりこだわるなら「デニム洗い専用洗剤」を使うのも良いでしょう。

各メーカー多様なデニム用洗剤を出しているので、この辺りはお好みで。

オススメは、「桃太郎デニム」でお馴染みの国産デニムメーカーJAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ)と、創業から60年以上の老舗クリーニング会社SHIMIZUYA(清水屋=しみずや)が共同開発した、天然由来成分100%のデニムソープ。

  • コールドプロセス製法の石鹸がベース
  • アミノ酸誘導体のベタインとアルギニン
  • 保存料に酸化銀
  • キレート作用(金属封鎖作用)のあるフィチン酸

以上のように天然由来成分100%にこだわった成分構成。

無香料・無着色・石油系成分の無添加にはじまり、蛍光増白剤・酸化防止剤・金属封鎖剤(生分解性の低いEDTAのことかと)・合成香料・色素を一切配合しないという、優しくもかなりこだわった一本。

近年、環境への負荷が問題視されがちなデニム業界において、サステナビリティに配慮されたデニムのための洗剤という意識の高さも感じさせられます。

「色止め」に必要なもの

今回は糊落としと一緒に「色止め」も試して見るため、上記2つの他にクエン酸と塩も用意しました。

セルビッジデニム 色止めにクエン酸を使用

クエン酸(酸性)や過炭酸ナトリウム(アルカリ性)は洗濯や掃除に重宝するので、写真のようなボトルタイプの容器に入れておくと頻繁に使うとき便利。

(過炭酸ナトリウムは今回使いませんが、白シャツの黄ばみなど、酸化した汚れを落とすのに便利なので、クエン酸と過炭酸ナトリウムを1つずつ備えておくのがオススメ)

クエン酸は色落ちを促進してしまうとされるアルカリ性から酸性側に傾ける目的(『酢止め』とも呼ばれる通り、お酢でも代用できます)、塩は『塩止め』といって染料を繊維に定着させるために使用します。

ただし、一般的に言われる上記の色止め方法については筆者はやや懐疑的。様々実験されている方がいて、結果を見る限りどうやら多少なりとも効果がありそう位に考えているので、実行される方は過度に信用せず色落ちを多少和らげる程度に考えていた方が良いと思います。

デニム用を謳っていても弱アルカリの洗剤とかデニムの大手メーカーでも販売されていたりしますし。

このあたりは、今後実際に自分で実験&比較をしてみたいテーマでもあります。

デニムは洗う前にひっくり返す

リジットデニムを洗うときは裏返す

まず糊落としとして洗い始める前にデニムは必ず裏返しておくこと

ボタンやジッパーはすべて閉じておきましょう。

これは、洗っている最中に出来るだけ表地に余計なアタリ(色落ち)を出したくないため。

裏返すのを忘れて、洗い途中で水を吸ったリジットデニムをひっくり返すのはかなりの手間です。(うっかり忘れて始めがち…)

デニムを水に浸す

リジットデニムの洗い方 桶に沈める

タライに40~50℃のお湯を張って、そこに折りたたんだデニムを沈めます。

一般的なお風呂の温度位ですね。

色止めも同時に行う際には、クエン酸と塩をそれぞれ大匙1~2杯ずつ一緒に投入。

生地の中の空気を抜く

リジットデニムがしっかり水に沈むように空気を抜く

生地の間に空気が入らないように上から押してしっかり空気を抜きます。

水の浸し方が甘いと糊落としが不十分でムラになる可能性も

空気のブクブクが出なくなったらそのまま1時間放置。(上面が少し浮いてくるようなら、上から重しをのせ全体が浸るように)

放置し終わった後の水がこちら

リジットデニム ファーストウォッシュの糊落としで水が凄い色に

うっすら緑がかったような黄色に染まっています。

これがインディゴの色の抜けが強い生地だと、もっと青みが強い色に染まります。

デニムを洗うときは色移りに注意

タライの内側には若干の色移りが見られますね。この程度なら軽くこすっても落ちます。

が、基本的にインディゴは色移りするとかなり落ちにくい染料になるので、やってしまいがちな「タライ代わりに浴槽を使う」のはオススメしません。(賃貸の場合は特に)

洗濯機~乾燥

浸し終わったデニムは、取り出したらそのまま単独で洗濯機にインしてノーマルコースで洗濯

中性洗剤やデニム用洗剤を使う場合はここで投入。今回はクエン酸も一緒に投入し、あくまでも色止めを第一に考えました。

デニムを吊るして乾燥させる

生デニムであれば乾燥機を使ってビシッと縮めた上で生地をふんわりさせる方法もありますが、今回は普通に吊るして乾燥させます。

裏返しのまま、S字フックをベルトループに通して吊るすのが一番楽かと。

吊るすタイミングでシワが寄りすぎないようにしっかり形を成型。腰回りの生地をピンと張る、セルビッジの耳を整える、股下もしっかり伸ばす、など。

濡れた状態のデニムは一番インディゴの色移りがしやすいので、干す際、他の衣類や壁などに触れたりしないように充分注意しましょう。(他のファブリックに色移りすることを『色泣き』と呼ぶ)

油断していると手も結構染まります。

糊落とし後のセルビッジデニムの変化

糊落とし後、自然乾燥まで完了したセルビッジデニムがこちら

ユニクロU セルビッジデニム ファーストウォッシュ後
ユニクロU セルビッジデニム 糊落とし後の様子

糊付きの平坦なデニムから一転、セルビッジらしい立体感のある生地になった様に思えますね。

生地が本来持っている色味や風合いがくっきりハッキリと。

糊付きとは異なったデニム生地本来の固さが残ります。

当然ながら「生デニム」とは異なるので、ユニクロUのリジットデニムに関しては水洗い後も縮みはほぼ無し

イメージとしては一般的な厚手衣類の洗濯後の縮み程度で、履いているうちに多少伸びて購入時とほぼ変わらないレベルかと思います。

ユニクロU セルビッジデニム ファーストウォッシュ後後ろ姿
リジットデニム洗濯後のふっくら感

ユニクロUのセルビッジデニムは革パッチもポケットのステッチも無いため、生地感とシルエットでしっかり魅せたいところ。

本来のリジットデニムであれば、糊落とし~乾燥までこなして初めて裾直しに移るわけですが、ユニクロUのセルビッジデニムなら裾直しの必要がないため、ファーストウォッシュ後は存分に履き倒して馴染ませていくのみ。

より綺麗めに見せたい場合は、しっかりプレスしたうえで、センターにクリースを入れるのもありでしょう。

リジットデニムの糊落とし まとめ

糊落としの手順に関しては、デニムマニアになればなるほど厳密なこだわりポイントもありそうですが、大まかな流れとして今回紹介した手順が一般的かと思います。

ユニクロUのセルビッジデニムは、縮みもほぼ無く裾上げの必要もないため、ファーストウォッシュさえ済ませてしまえば今後はほぼ手間をかけることなく育てていくことが出来るというのが大きなメリット。

2回目以降の洗濯=セカンドウォッシュは、だいたい2~3ヶ月履き込んで体に馴染んできた頃に行うのが一般的。(筆者は1ヶ月くらいで早々に済ませてしまう場合もありますが)

ファストファッションブランドユニクロのデニムなわけですが、持ち主の履き方によって個性が生まれるのが面白いところ。

ここまでやってやはりコスパ最強すぎるので、思いっきりハイブリーチで脱色をかけた一本を作ってみたい気持ちが湧いてきています。

腐食する可能性がある金属パーツもファスナーとボタンのみですし。

今の一本を育てつつ、気が向いたら新しく実験してみたいと思います。

ではでは。

※追記 1年後の色落ち具合

ファーストウォッシュからちょうど1年履いたユニクロUのセルビッジデニムの色落ち状況をレポ↓

1年後の経年変化。ユニクロU セルビッジデニムの色落ちは?

想像よりも色止めの効果出ているかも?

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