USミリタリーのヴィンテージウールシャツジャケット。肉厚で保温性抜群の生地感がほぼコート
気温差はあるものの、いっきに肌寒さを感じる今日この頃。
寒さが苦手な筆者は早速冬ごもりの準備を始めています。
秋冬の睡眠の味方であるNウォーム毛布を早々に引っ張り出してヌクヌク。
シーズンオフでMINIKURA(ミニクラ)に預けていたコート類はいつ自宅に召喚するべきかと悩む日々。
逆に、着なくなった夏モノを段ボールにめいっぱい詰め込んでミニクラに預けなおし、衣類の入れ替えも進めなきゃなーという感じなのですが。
そんななか今回紹介するのは、50年代USミリタリーというM-51と同年代に使用されていたビンテージのウールシャツジャケットです。
一般的にはOG-108(OG=オリーブグリーン)WOOL SHIRTSとして出回っているのですが、
別名として
- M-51ウールシャツ
- コリアシャツ(朝鮮戦争時代のため)
- ブランケットシャツ(=毛布シャツ)
など様々な呼び名がついている隠れた名品。
デニムコーデとの相性も抜群です。
寒さが厳しくなる秋冬に活躍してくれること間違いなしのヘビーウェイトウールシャツジャケット、そのディティールについて見ていきましょう。
USミリタリーのウールシャツジャケット 前期型
今回紹介するOG-108ウールシャツは前期型と後期型に分かれており、筆者が手にしたのは前期型のデッドストック。
かの有名なマリリン・モンローも米軍慰問の際に戦地で着用したという、歴史にも名を残す一枚。
昨今トレンドにもなっているMA-1に合わせるモンローの姿が、現代のファッションにも不思議とマッチする一枚ですね。時代は巡る。
「モンローシャツ」という愛称まで加わり、たくさんの通称を持つまでになったM-51ウールシャツの魅力について、各ディティールを見ながらご紹介したいと思います。
肉厚でヘビーウェイトなウール生地
まずは何といっても肉厚で重厚なウール生地が最大の特徴。
ビンテージネルシャツのようなクッタリふんわりとしたウール素材とはワケが違う。
シャツというよりほぼほぼジャケット、もはやショート丈のコートと言っても違和感がないほどガサッと重厚で、天然の光沢感も感じるウール素材です。
前期型はウール85%:ナイロン15%の混紡生地で、後期型はウール80%:ナイロン20%と年代によって割合が異なります。
また、前期型の中でも素材などを表記するバックプリントの位置がマチマチ。
筆者の手持ちのウールシャツは胸元裏にプリントがありますが、
- 白文字プリント
- 赤文字プリント
- 首裏に表記
- 胸元に表記
など、プリントの文字色や表記の位置が異なるので、同じウールシャツを購入するにしても好みのパターンを探すのも一興ですね。(ビンテージなので、気のすむまで選べるほど球数があるわけでもないですが)
共通しているのは、紙タグや布の縫い付けなどではなくプリントであるという点。
数十年前のものなので、色落ちやカスレなど、綺麗に文字が残っていない個体もあります。
サイズ感は大きくはない
首元の表記。
国内で一番多く出回っていると思われるMサイズ表記のアイテムで、肩幅や身幅には余裕があるものの、一般的なミリタリーアイテム・インポートアイテムと比べてもそれほど大きくはない印象です。
アウターとして着るようなウールシャツジャケットとしての想定で、身長は170cm後半くらいまで、国内表記サイズでいうとLサイズからXLサイズの間位のイメージ。
あくまでもインナーシャツとしての造りなのでしょうね。
ボックスシルエットなこともあって、特に高身長の方はサイズ選びに注意が必要です。
前期型の特徴 クロスヨーク
前期型の特徴として挙げられる背面でクロスした肩ヨーク。
肩の装飾・補強パーツであるヨークの縫い合わせが重なっています。
特徴的なのでひと目で分かりますね。
ヨークのクロスと背面の裾に入った二本のプリーツが前期型の特徴なので、そのことを知っているとバックスタイルにも趣が感じられますね。
立体感があるので、肩周りの重厚感がさらにアップ。
アウターらしさが増している要因のひとつです。
ちなみに、クロスが左上か右上かも個体に寄って異なっていて、てっきり左利き・右利きの違いなのかなとも思っていましたが、史実上は特にそのような意図はないようですね。
剣先の尖り
襟の剣先が長く尖っているのも前期型ならでは。
防風目的で襟を立てて着用することを想定している造り。
後期型からは通常の襟になっているので、数年でモダナイズされたわけですね。
袖口はひとつボタン留め
袖口はひとつボタンで留める仕様。
M-51ウールシャツで使用されているボタンは、ミリタリーで定番の時代を感じさせる尿素ボタンを採用。
ややモカ色っぽい同系色のボタンを使用することでボディとの馴染みがありつつ、適度なツヤ感がアクセントになっていて絶妙なバランス感。
水洗いも問題なし
もともとがデッドストックということで、購入時の水通しはもとより、頻繁にはしないものの時折水を使った洗濯もしています。
基本的には、
- 購入初回の水通し(水を貯めた桶に沈める)
- 洗濯機のドライコース洗濯
- ドライマーク洗剤
以上のような洗い方程度では特に縮むというようなこともありませんでした。
気になる方は、手洗いにこだわったりクリーニングに出すのもいいと思いますが、そもそも生地自体が繊細な風合いというわけでもないので、ミルスペックらしくガンガン気にせず洗うのが良いと思います。
アウター使いの想定であれば、初回の水通し以降は基本的にブラッシングメインでもオーケーかと。
まとめ
ミリタリー由来のタフなシャツジャケット。
ミルスペックに裏打ちされた着用感と保温性で、少しくらいの寒さならメインアウターとして十分に役立ってくれます。
厚手のウール素材ということで、使い方次第で幅広い季節に対応できるのも魅力のひとつです。
個人的にはアメカジコーデとしてデニムやシャツに合わせるのが一番しっくりきます。
また、MA-1と合わせてモンローばりの着こなしを目指してみるのもアリ。
インナーとしてもアウターとしても活躍するウールシャツジャケット、ぜひ一度手にしてみてください。
ではでは。