夏に涼しいミリタリーパンツ。通気性に優れたジャングルファティーグ
まだまだ朝晩の気温差があるとはいえ、ジットリとした暑さを体感するようになってきた今日この頃。
もうまもなく、また暑い夏が来る。
暑さに弱い筆者としては「ジメジメとした不快な夏をいかに快適に過ごせるか?」が服や靴を選ぶ基準になっていく季節でもあります。
昨年のMVPは、MUJI Labo(ムジラボ)の鹿の子ポロシャツ。
絶妙なゆったりシルエットと肌触りの良い素材感で、蒸し暑い真夏の気候でも心地よく着用出来ました。
今回紹介するのはパンツ。
熱帯のジャングルで着用されることを想定したミリタリーカーゴパンツ、ジャングルファティーグパンツです。
名作カーゴパンツのひとつとして、定番的人気を誇るジャングルファティーグのデッドストック。
ジャングルファティーグジャケットとともに、近年では出回るストック数も減ってきている一枚です。
熱帯気候に強いジャングルファティーグパンツは、蒸し蒸しジメジメの日本の夏を乗り切るのに最適なパンツなのです。
ジャングルファティーグとは?
ジャングルファティーグとは、1960年代ベトナム戦争期、熱帯地域での活動を想定したトロピカル生地を使用したジャケット・パンツの総称。
M-47の前期型・後期型の違いからも分かるようにミリタリーあるあるなのですが、ジャングルファティーグも年代によって少しずつ仕様が異なり、最初期で貴重な1stモデルから約1年ごとにモデルチェンジを続け、最終モデルの型とされる5thまでの5種類があるとされています。(5thは4thの最後期)
(例によってモデルチェンジの移行期に仕様が混ざっている可能性アリ)
筆者が持っているデッドストックのモノは、リップストップ生地とファスナーを採用した最終モデル5thタイプのものになります。
ジャングルファティーグパンツの仕様
ここからはジャングルファティーグパンツのディティールを実物をもとに見ていきましょう。
改めて、筆者の手持ちである5thモデルのディティールなので、モデル違いの仕様はそれぞれ若干異なることに注意してください。
ちなみに、Pixel 6aでタグの写真を撮っていたところ、Googleレンズ機能で自動翻訳してくれていて面白かったので一緒に掲載しておきます。
タグにはパンツの仕様や洗濯時の注意書きなどが書いてあります。
通気性の良いリップストップ生地
生地は光沢のあるコットンポプリン素材を使用したリップストップ生地を採用。
格子状に織り込まれた高密度リップストップ生地は、丈夫で軽量、引き裂きにも強く、もともと軍用としてパラシュートの素材などに採用されていた素材。
ジャングルファティーグでは、リップストップは主に4th以降の後期モデルから採用された生地であるとされています。
リップストップが使われているジャングルファティーグは、比較的新しい年代のタイプということになりますね。
3rdまでのいわゆる初期のモデルは『ノンリップ生地』として希少価値が高いのですが、夏に履くことを考えると、より軽量で履き心地に優れるリップストップ生地の方が実際の機能性としてはメリットが大きい。
薄手で通気性が良く、シャリ感のある生地なので、湿度の高い日本の夏の気温でもサラッと履けるので気持ちがいいのです。
サイズ感やシルエットを調整できるギミック
デッドストックや中古のミリタリー物にありがちなのが「サイズが大きすぎる問題」。
海外軍物ということで、多くの日本人にとっては大き目のサイズ感が中心に出回っているため、どうしてもサイズが大きい問題は起こりがちなのですが、USA ジャングルファティーグでは、この問題を回避しやすいウエストサイズや丈の長さを調整できるギミック付きなのも嬉しいポイント。
まず裾にはドローコード。
ジャングルファティーグパンツは総丈レギュラーサイズ~ロングサイズが多く出回っていますが、裾のドローコードで絞れるので、もし身長に合わないサイズだとしても裾を引きずらずに履くことが出来ます。
ストンと落ちたフルレングスと、裾を絞ってボリューム感を強調したスタイルという2種類のコーデを楽しめるというワケ。
また、ウエストにはサイズを微調整するベルトが両サイドに付いています。
アジャスターとして活用することで、ウエストサイズの微調整が可能。
ある程度のサイズ感なら、新たにベルトをすることなくジャストなフィット感で着用することが出来ます。
SCOVILL(スコビル)製のジッパー
前開きはSCOVILL(スコビル)製のジッパーを採用。
60年代の終わり~70年代にかけて登場したヴィンテージ感溢れるジップ。
初期のジャングルファティーグパンツはもともとボタンフライ仕様で、4th・5thと呼ばれる後期型でジッパーフライが採用されました。
上げ下げも不具合なく、実際の着用においてもクラシックなボタンフライよりも実用性に長けています。
ボリューミーなカーゴポケット
カーゴポケットはプリーツの入った肉厚でボリューミー仕様。
本来の用途である容量を稼ぐ仕様なワケですが、おかげで見た目にもイイ感じにボリューム感の出る仕様となっています。
M-47では三面マチでボリューム感のあるカーゴポケットになっていますが、ジャングルファティーグはM-65と同じく後方一面のみにマチがついているので、正面からはややスッキリとした見栄えになっています。
背面からのほうがカーゴポケットの膨らみが際立って見えます。
サイドとヒップのフラップポケットは、すべて二重のボタン留め仕様。
履き込んでいくことでボタンの当たりも出てくるので、雰囲気のあるヴィンテージ感を楽しむことも出来ます。
まとめ
USミリタリー名作として名高いジャングルファティーグは、夏の暑い季節にピッタリのパンツ。
シルエットが美しく、メリハリの効いたボリュームがあるので、薄着でTシャツに合わせるだけでもコーディネートの主役として活躍してくれます。
年々デッドストックの球数も減って価格が上昇しているので、今買うなら忠実復刻のレプリカや、様々なブランドが出しているジャングルファティーグオマージュのアイテムを狙うのがヨシ。
筆者が一番気になっているのはCIOTAのジャングルファティーグ。
スビンコットンにこだわったCIOTA製のジャングルファティーグは、デッドストックとはまた違った履き心地で楽しませてくれるでしょう。
ぜひ一度チェックしてください。
ではでは。