ジャーマントレーナーの魅力。おすすめの定番ブランドやSHIPS別注の違いについてレビュー
ミリタリーブーム継続中の筆者です。
今回はミリタリーに関連したオススメのスニーカーについてまとめてみたいと思います。
これまでM-65、M-47、M-64のパンツをそれぞれ紹介してきましたが、ミリタリーコーデに外せないのがやはりこのスニーカー。
ミリタリーの定番スニーカーといえば、今や絶大な人気を誇る名作ジャーマントレーナーをおいて他にないでしょう。
ジャーマントレーナーの特徴と言えば、シンプルでクラシカルなデザインと、レザーとスエード素材の組み合わせによる上質で洗練された雰囲気を併せ持つ万能スニーカー。
ミリタリーコーデはもちろん、カジュアルスタイルやビジネスコーデのちょっとしたヌケ感の演出にも使えるため、一足持っておいて損は無いでしょう。
今回はジャーマントレーナーの魅力と特徴、初めて選ぶ方の参考になるようオススメブランドのまとめ紹介から、SHIPS別注品のレビューも交えてご紹介したいと思います。
ジャーマントレーナーの魅力とは?
ジャーマントレーナーとは、その名の通り1970~80年代に西ドイツ軍で採用されていたトレーニング用シューズ。
白地にグレーの配色が基本。
レザー製のアッパーをベースに、トゥにはスエードの切り替えが入った異素材コンビネーションで、耐久性の良さを追求した形。
軍モノらしく余計な装飾は可能な限り排除されたシンプルでミニマルなデザインが特徴的で、人間工学に基づく履き心地の良さから実用性重視の機能美といえるでしょう。
ミリタリーコーデはもちろん、シンプルにまとめたキレイめスタイルからスーツスタイルのハズシまで、どんなコーデにも合わせやすいのが大きな魅力です。
特にジャーマントレーナーのホワイトは、定番白スニーカーの代表格として男性・女性問わず人気を集めるカラーとなっています。
ジャーマントレーナーの定番ブランド3選
現代のジャーマントレーナーのレプリカを購入する際、真っ先に候補に挙がるであろうブランドは主に3ブランド。
各ブランドの特徴を簡単に紹介します。
Maison Margiela / メゾン マルジェラ
まずはなんといってもジャーマントレーナーの魅力を世に広めたとされるメゾンマルジェラ。
定番はホワイトベースにグレーのスエード。
爪先補強のパーツのみならず、サイドと羽根(紐通し)がグレーなのがポイントです。
個人的に、マルジェラのジャーマントレーナーといえば、白×グレーのカラーにキナリ色シューレースが定番という印象。
今となってはジャーマントレーナー=マルジェラをイメージする人も多いと思うのですが、もともとは、メゾンマルジェラの創業者であるマルタン・マルジェラ氏が、ヴィンテージのジャーマントレーナーに惚れ込み、製造している工房に「自身のコレクションに加えたい」と打診したのが始まりとされています。
その工房とオリジナルのジャーマントレーナーへのリスペクトを込めて「レプリカ(複製品)」と名付け、毎シーズンのコレクションに加えることを約束したのだとか。
ジャーマントレーナーとは、天下のマルジェラが見初めるほど完成されたスニーカーであったと言えるでしょう。
メゾンマルジェラが手掛けるジャーマントレーナーの特徴としては、ジャーマントレーナーの原型はそのままに、上質な素材使いとカラーバリエーションによる脱構築的要素がプラスされ、ミリタリーアイテムとしてのジャーマントレーナーをファッションアイコンとして昇華させた立役者と言っても良いでしょう。
絶妙なペンキ使いで彩られたペインティングデザインは、もともとのジャーマントレーナーがシンプルであるが故のまさにマルジェラらしさが溢れている人気の逸品。
インサイドアウトM-47の件といい、マルジェラ氏はミリタリーのアーカイブから多大なインスピレーションを獲得していたことを伺わせますね。
タナカユニバーサル
タナカユニバーサルとは、製造当時の本物・実物に限りなく近いジャーマントレーナーの元祖と言っても過言では無い存在。
タナカユニバーサルのジャーマントレーナーは、製造当時の木型やソールを、当時の機械と製法で作り上げるというまさにオリジナルであり原点でもあります。(ドイツ軍から製造を引き受けていたスロバキアの工場が倒産し、その際、機械から木型まで一手に譲り受けたため。)
実は前述のメゾンンマルジェラのエピソードは、パリの展示会に出展していたタナカユニバーサル社製のジャーマントレーナーのことを指すとされており、「レプリカ」という名称はタナカユニバーサルへ向けた敬意の現れであると言えるでしょう。
世界的なブランドを手掛けるデザイナーが見初めた通り、その品質はまさに折り紙付き。
よりクラシカルで当時のオリジナルに近い「本物」のジャーマントレーナーが欲しければ、タナカユニバーサルを選ぶのが正解です。
REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクション・オブ・ファウンド)
REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクション・オブ・ファウンド)は、2016年に日本で誕生した若いブランド。
世界各国のミリタリーシューズの復刻モノを多数リリースしており、中でもジャーマントレーナーに関しては様々なブランドとの別注品も手掛けるなど、ブランドとしての勢いも感じさせられます。
「REPRODUCTION=再生、FOUND=見つけ出す」の名前に現れるように、これまで発掘してきた過去の名作ミリタリーのアーカイブは中々に見応えのある一覧になっています。
ブランドの特徴としては、手掛けるプロダクトはすべてスロバキアを中心とした各国のファクトリーでハンドメイドで生産されているというこだわり。
名作ミリタリーシューズの復刻を掲げながらも、より現代的なデザインにリプロダクトされているのも特徴のひとつ。
ロゴやタグにはデザインソースとなった「品名、国名、年代」が記され、オリジナルへのリスペクトも忘れてはいません。
リプロダクションオブファウンドのジャーマントレーナーに関しては、オリジナルの型を再現しながらもよりモダンでスマートな造りと上質な素材感でアップデートしているような印象を受けます。
SHIPS別注 REPRODUCTION OF FOUNDのジャーマントレーナー
ここまでジャーマントレーナーをリリースしているメジャーブランド3つをまとめてきましたが、今回実物を紹介するのはその3つのブランドのうちの一つであるREPRODUCTION OF FOUNDが手掛けたSHIPS別注のジャーマントレーナー。
これまでも青ワニラコステをはじめ、SHIPSの別注アイテムについてはいくつかレビューしてきました。
やはりSHIPSの別注品は筆者のツボのようです。
大手セレクトショップの中でもそのセンスを一番信頼している。
というわけで、今回REPRODUCTION OF FOUNDのジャーマントレーナーの中でも、あえてSHIPSの別注品を選んだ決め手について解説していきたいと思います。
カラーは2色展開
SHIPS別注のジャーマントレーナーは、アッパーの素材にシボ革を採用したオフホワイトとブラックの2色展開。
ジャーマントレーナーの定番といえば白ですが、あえてブラックを選ぶ理由としては、モード感が強めでありながらカジュアルからスーツスタイルまでより汎用性が高く、コーデを引き締める役割を担ってくれるから。
ちなみに、オリジナルのジャーマントレーナーのブラックカラーは軍内部での階級が高いことを示していたのだとか。
もちろんつま先補強のスエードも黒。
上質なシボ革とスエードの素材違いのコントラストが美しい。
長く履きこむことでエイジングが進み、経年変化も楽しめるのは天然皮革ならではの味わい。
また、実物を手に取って感じるのは、リプロダクションオブファウンドのジャーマントレーナーに採用されているシューレースもかなりの高品質であるということ。
シューレース選びにもこだわりがちな筆者が思わずマジマジと触ってしまうほど、コットン製の素晴らしい素材感で、付属品としてのシューレースとしてはかなり上質な部類に入ると思われます。
シューレースのみの単品買いも可能なようなので、色違いを楽しんだり、いくつかストックしておくのもありでしょう。
シンプルなレザースニーカーに合わせるのもオススメです。
シルエットとサイズ感
程よくシェイプされた細身のシルエット。
ジャーマントレーナーのサイズ感としては、そのシルエットから幅狭め甲低めでやや小さめの履き心地とされることもあるのですが、肉厚な"タン"を有するハイテクスニーカーなどと違い、どちらかというと革靴などの履き心地に近い印象です。
履き口は若干広めで、足入れもしやすい。
天然レザーならではの足への馴染み具合も考えると、特別甲高でもなければ足長実寸+0.5㎝位でジャストなサイズ感かと思われます。
ただ、紐をギュッと絞った方がシルエットをより美しく見せることができるため、サイズに迷うくらいなら気持ち大きめを買った方が無難かな。
ヒールカウンターも高めなので、カカトがパカつくことも少ないはず。(サイズの上げ過ぎには注意)
SHIPS別注オリジナル 半透明のソール
SHIPS別注のこだわり、その1。
ジャーマントレーナー定番の飴色ガムソールが、SHIPS別注品では半透明のアウトソールに変更されています。
文字通りクリアで軽快、ライトな印象をアップさせています。
この素材感がツボ。
光の当たり具合で表情が明るくなる仕掛け。
全体の印象を左右するほど絶妙な色味に仕上がっているのです。
もちろんコートタイプらしいジャーマントレーナーの機能性はそのままなので、非常に歩きやすく、グリップ力にも優れています。
履き心地としてもインソールのクッションが絶妙に効いていて、コートタイプなのに足疲れしにくいことも大きなメリット。
コーデの合わせやすさと履きやすさを両立させた、まさに万能選手です。
SHIPS別注オリジナル 同色のライナーとインソール
通常であれば、本家ジャーマントレーナーに施されているライナーは布製。
一方、リプロダクションオブファウンドのジャーマントレーナーは、ライナーからインソールまですべて革製に変更されています。
アッパーのみならず、インナーまで全面革張りになっていることで高級感が出て、グッと大人な印象の履き物にアップデートされているわけです。
特に、カカト周りのカウンターライニングがレザー製なのは、破れや毛玉が発生しないので長年履き込める相棒としての頼もしさがありますね。
リプロダクションファウンドのジャーマントレーナーを選ぶ価値がここにあります。
さらに、リプロダクションオブファウンドのインラインのジャーマントレーナーのインナーは上記写真のように「タンカラー」のレザーなのに対し、SHIPS別注品ではアッパーカラーと同色に変更されているのです。
ホワイトは白で統一、ブラックは黒で統一。
より洗練されたモダンな一足に仕上がっているのです。
ブラックカラーのインナーは、アッパーの色に合わせた全面黒一色。
インソールにはリプロダクションオブファウンドお馴染みのプロダクトのネタ元とSHIPS別注であることが記載されていて、黒ベースに白い文字が浮き上がっているように見えます。
このインナーのカラーとアッパーカラーの統一という点が、SHIPS別注のジャーマントレーナーに関して筆者一推しのポイント。
レザー製でなお且つ同一色のインナーという、これまでのジャーマントレーナーにありそうで無かった着眼点が素晴らしい。
まとめ
今や定番スニーカーであるジャーマントレーナーは、一足は持っておいて損のないスニーカーです。
履き心地はもとより、どんなコーデにも合わせやすい完成されたミニマルなフォルムは、唯一無二の存在と言えるでしょう。
さまざまなスニーカーを履いてた後に久々に戻ってみると、その良さを改めて実感することもしばしば。
特に白スニーカーとして見るならば、王道中の王道である鉄板スニーカーadidasのスタンスミスと肩を並べる使いやすさといっても過言ではないはず。
購入の際は、今回紹介した定番ブランド3選とSHIPS別注品も参考にして選んでみてくださいね。
特にリプロダクションオブファウンドに関しては、SHIPS以外にも様々なブランドとの別注品を手掛けているので、仕様の違いをよく吟味してお気に入りの一足を見つけてもらえればと思います。
ではでは。