ASICS×KIKOの問題作!GEL-LYTE IIIとGLIDERIDEを融合したモードなスニーカー
昨年30周年を迎えたASICSの名作GEL-LYTE III。
履き心地の良さとシルエットの美しさから、数あるASICSブランドの中でも今なお愛され続ける圧倒的人気の伝説的な一足といえるでしょう。
昨年のアニバーサリーイヤーには、KITHのThe Palletをはじめ、インライン・コラボ企画ともに数多くのモデルがリリースされたのも記憶に新しいところ。
そんな中、同じアニバーサリーイヤーの年末に発売されたGEL-LYTE III×Kiko Kostadinov(キコ・コスタディノフ) は、GEL-LYTE IIIの名を冠した問題作だと感じていました。
そして人気出なそうだなーとも…
発売から時間が経って随分お安くなっていたため(Kikoコラボモデルはいつもそう。。。asics全般に言えるけど嬉しいけど複雑)、実物のレビューと合わせて紹介したいと思います。
asicsとKiko Kostadinov
asicsとKiko Kostadinovは数年に渡りコラボモデルを発売してきましたが、昨年2020年に一旦契約が終了。
と同時に、デザインディレクションを含めたキュレーターとしてより強固なパートナーシップを築くための長期契約を締結したことを発表しました。
そろそろコラボ契約も終了かと思われていたので、より深い関係性に移行したことはアシックス好きとしては一安心。
以前のASICS×KIKO Gel-Sokat Infinity 2の記事でも書きましたが、履き心地に定評があるもののデザインに課題を残すとされるアシックスにとっては本当に大事にしてほしい組み合わせです。
モード界の若き天才がもともとアシックスを好んで履いていることにもちょっと意外性はありますが、キコ・コスタディノフは機能性を重視したコレクションを発表することでも有名。
2016年の自身のコレクションにHOKA ONE ONE(ホカオネオネ)をいち早く取り入れるなど、スポーツミックスにも定評のあるデザイナーならではといったところでしょうか。
願わくば、スニーカーのみならずアパレルカテゴリに関しても入り込んで、ヨウジヤマモト×adidasのY-3並みに充実したコレクションを展開してくれたら言うことなしなのですが。(贅沢な熱望)
ASICS×KIKOのGEL-GLIDELYTE III
ここからはASICSのGEL-LYTE IIIとKIKO KOSTADINOVがコラボ(とは今後呼ばなくなるのか)したGEL-GLIDELYTE III(ゲル グライドライトスリー)について。
今モデルは記事冒頭にも書いたように、ちょっとした問題作だと思っていて。
GEL-LYTE IIIをベースにしているものの、実際にはまったくもってGEL-LYTE IIIらしくない近代的なデザインに生まれ変わっています。
そしてそれも含めた再構築的なデザインが実にキコらしい意匠のように感じられるのもまた事実。
これは昨年発表された直後から、明らかに評価が分かれる、というかGEL-LYTE III 好きには刺さらなそうな予感がビンビンとしていました。
ぱっと見では、見た目のぽってりした雰囲気がわずかにGEL-LYTE IIIを感じさせるかな?といった感じ。
少しポップな可愛らしさが増しているように感じるのは素材感の影響もあるでしょうか。
ちなみに、靴紐はGETABACOシューレースの90センチに変えてあります。
GEL-GLIDELYTE IIIを買う前からグリーンのシューレースを通すということは決めていました。
なんとなくキコのイメージカラーはグリーンがベースのような主観的イメージがあるんですよねー。
アッパーデザイン
まずシューレースホールの位置と形状が変更されています。
位置が高めで穴数も少ないことから、もともと付属していたシューレースも若干短めで約100㎝位。
GEL-LYTE IIIの縦割れスプリットタンはもちろん踏襲。
革靴のオックスフォードを思わせる上品さ。
シューレースホールの形状は、このスプリットタンを強調するためのデザインかなと感じさせます。
アシックスストライプをぐるりと取り囲むように配置されたプラスチックパーツがアクセントとして目を引きます。
トゥを中心としたメイン素材にはキコモデルではお馴染みの目の粗いメッシュ素材。
柔らかな印象を醸し出すこのあたりの素材使いにはキコらしさが存分に溢れ出ていますね。
GLIDERIDEソール
GEL-GLIDELYTE IIIというくらいなので、今モデル最大の特徴であるソールにはアシックスが誇るランニングシューズ「GLIDERIDE」のソールを採用。
二層式の肉厚なミッドソールは、さすがアシックスのパフォーマンスシューズというだけあって履き心地も極上。
スプリットタンも相まって非常に快適です。
何より、通常のGel-Lyte IIIと比べると圧倒的に軽い!
このソールを備えたGEL-GLIDELYTE IIIを見た時の印象は、ひょっとするとホカオネオネのボンダイを意識しているのでは?ということ。
爪先上がりの肉厚なソールといいアッパーのデザインといい、一度そう思って見てみるとそうとしか思えなくなりました。
そういった視点で見ると、なんとなくアッパーのプラスチックのパーツもボンダイの丸みを表現しているような気さえしてきます。
キコがホカオネオネをコレクションに取り入れたという前述のエピソードもあるため、多少なりとも影響を受けてるんじゃないかなーと思う次第。
ちなみにアウトソールはこんな感じ。
推進力を意識した歩き心地でグリップ性能も悪くない。
インソールとヒール
インソールにはKIKO KOSTADINOVのプリント。
こうして上から見てみると特徴的な細身のシルエットはGEL-LYTE IIIらしさが出てますね。
サイズ感的にはいつものGL-IIIとおおよそ同じ。
ヒールにはアシックスのロゴシンボルマーク。
キコモデルはasics文字ロゴではなくこちらのロゴマークを使用することが定番となっていますね。
筆者もこのロゴマークを活用したモデルがカッコイイと思います。
まとめ
非常にキコらしさに溢れ、GEL-LYTE IIIらしからぬ一足。
先ほども書いた通り、既存のGEL-LYTE IIIモデルと比較するよりは、どちらかというとホカオネオネと比べる方が正しいような気がしています。
ホカオネオネより少しモードに振って、遊び心をプラスしたようなイメージ。
ホカオネよりもうちょっと足元に遊びを入れたいときにピッタリで、手持ちのボンダイレザーはカジュアル・キレイめ問わずかなりの高頻度で履いているのですが、そこに割り込んでくるような一足になる予感がしています。
スプリットタンとGLIDERIDEソールによる履き心地の良さは間違いなし。
見た目の評価自体は割れそうですが、こういう遊び心とチャレンジはどんどん続けてほしいなと思います。
ついでにアパレル部門の充実も、Y-3や最近精力的なNewBalanceに負けないくらいのヤツをなにとぞお願いします。
ではでは。
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